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臨床心理部

患者さんが抱える問題を明らかにし、治療・支援に結びつく「心」のケアを大切にしています。

公認心理師・臨床心理士が、精神科における治療をサポートするため、臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、心理検査や心理療法を丁寧に行い、ひとの「心」の問題にアプローチします。

心理検査

医師が診断や治療方針の参考にするため、周囲の方が対応や支援をしやすくするためといったことを目的に心理検査を行っています。ウェクスラー式知能検査や田中ビネー式知能検査をはじめとした各種知能検査、バウムテストやロールシャッハテストといった各種人格検査などを通じて、発達の状態や得意不得意、性格傾向、行動パターン、他人との関わり方など、その方の特徴や抱えている問題を整理することをめざしています。

心理療法

医師が必要と判断した際に心理療法を行うことがあります。これは、薬物療法の補助として、あるいは何らかの理由で薬物療法が困難である場合に、それぞれの症状に対する治療や援助、精神的健康の増進を図ることなどを目的に行います。認知行動療法的なアプローチ等、さまざまな臨床心理学的方法を用いてサポートをしています。

回想療法

認知症治療に力を入れている当院では、入院されている高齢者の方を対象に集団の回想療法を実施しています。これは、参加者の思い出に共感し合うことで、情動機能の回復や意欲の向上などを図る心理療法のひとつです。認知症高齢者は、直近のできごとは思い出せなくても、子どもの頃など昔のことは覚えていますので、楽しい、懐かしい記憶について話し合うことで、それぞれの人生に対する再評価や自己評価の向上を促し、心理的な安定や記憶力の改善につながるよう努めています。

思春期グループ-リンクス-

児童思春期外来では、心理検査や個別の心理療法の他に「思春期グループ-リンクス(Links)」を行っています。集団に慣れたい、コミュニケーションの練習がしたい、学校へ行く自信をつけたい、同年代の人と交流をもちたいという思春期(中高生)の方を対象としたグループ活動です。さまざまな活動を通して人と話をしたり、協力し合ったり、自分らしさを見つけることを体験し、目標とする学校や社会へつながっていくことをサポートしています。

リンクス通信

依存のグループ勉強会-ワンデイズ-

ギャンブルや高額なお買い物などは、ほどよく行えば楽しい趣味です。しかし、やりすぎると生活や人間関係に悪い影響を与えたりもします。当院では、依存症の診断のある方、あるいは診断がつくほどではないものの辞められないものがある方を対象に、ワンデイズというグループ勉強会を行っています。これは認知行動療法という考え方をもとに、依存のサイクルがどのように生まれ、そのサイクルを緩めるにはどのような方法があるかを、一つ一つ考える勉強会です。
「今すぐに辞めたいけれど、方法がわからない」「自分は辞めたくないのに、家族は辞めて欲しいという…」「そもそも、自分は辞める必要があるのかを考えたい」――患者様のご希望は様々です。お一人お一人の希望に寄り添いながら、より過ごしやすい生活を一緒に考えています。

認知機能リハビリテーション-脳トレチャレンジ-

病気や障害の影響で「認知機能」と呼ばれる能力が低下してしまうことがあります。「認知機能リハビリテーション(脳トレチャレンジ)」は、パソコンを使ったトレーニングやグループでの話し合いを行っていくことで記憶力、注意力、頭の回転力など考える力を向上させるためのプログラムです。普段の生活をしやすくなること、就労・就学・復職などそれぞれの目標を達成しやすくなることを目指して行ないます。